早来地区義務教育学校 施設整備における総合的支援「教育環境研究所」プレゼンテーション

安平町の未来(=子どもたち)を拓く学び場づくりを目指して

(この内容は、2021年7月16日に行った、「安平町早来地区義務教育学校設置」の記者会見をもとに編集・執筆したものです。)

 ここでは、早来地区義務教育学校の整備において、構想段階から当校が目指す教育環境の検討に参加している教育環境研究所のプレゼンテーションをご紹介します。※スクロールと同時にプレゼンテーションを読み込みます。クリック後、拡大表示します。


プレゼンテーション内容

司会)教育環境研究所様には、構想段階から教育環境の検討にご参加いただいています。プレゼンターは、「教育環境研究所」野島様です。それでは、野島様よろしくお願いします。


(野島様プロフィール)


野島氏)教育環境研究所の野島と申します。本日はよろしくお願いします。
当研究所の簡単な自己紹介と、本校の魅力ある学校づくりについてお話させて頂きたいと思います。


野島氏)当研究所は、1988年に創立致しまして33年ほど経ちます。学校建築計画を専門として、全国各地で100を超える学校づくりに携わってきました。
道内では、豊富町の豊富小学校の計画に関わっています。


野島氏)はじめに学校づくりにおける私たちの基本姿勢と主な役割についてお話をしたいと思います。
私たちは、新しい学校に対する夢をみなさんと語り合い、その想いを集めることを大切にし、と同時に今日的な学校建築計画の課題を伝え共有することで、みなさんと共に思い描ける学校づくりの目標を掲げ、それを実現するための施設のあり方を検討することを役割としています。また、その施設のあり方を完成後の運営にまでつなげていくという事も目標として活動しています。このような検討プロセスを通して、未来(=子どもたち)を拓く学校を実現することが命題であると考えて取り組んでいます。

本校の計画はその検討プロセス自体が魅力的だと思いますのでそのことを紹介したいと思います。
私たちは「みんなの想いを集めるところから学校づくりを始める」と申し上げましたが、本計画は、私たちが入る前から町民の方々主導で「新しい学校を考える会」という検討の場を立ち上げ、その中で学校づくりの議論が進められてきたということがあります。その議論の場に、途中から私たちが参加しまして議論を深めるための役割を担わせて頂いたという経緯があります。町民の方々より自発的に学校づくりがスタートするということはなかなか無いことなので、それを展開してきた住民の方々、役場の方々には心から敬意を表したいと思います。


野島氏)考える会ができて学校づくりがスタートしたのは今から3年ほど前の2019年1月からですが、私たちは同じ年の2月から学校づくりの専門家という立場を頂いて、これからの学校教育の課題を踏まえた学校建築のあり方、安平町の新しい学校が目指す姿について町民の方々と共に議論させて頂きました。社会的な課題として、ご存知の通りテクノロジーによる急速な社会の変化や、わが国が抱えている公共施設の老朽化対策、本校の計画が地震被害からの復興という視点にも関わる避難拠点となる学校施設、SDGsや省エネ対策という学校建築をめぐる様々な課題を共有しました。教育面では、ちょうど10年ごとの学習指導要領の改訂の時期と重なりましたが、今回の新学習指導要領は、これからの学校教育のあり方の根本に関わる改訂ですので、これらを踏まえることが学校づくりのテーマになるのではないかという話をさせて頂きました。
考える会は1月から3月まで計6回、密度の濃い議論が進められました。その中で、新しい学校づくりの基本コンセプトがまとめられています。


野島氏)さらに基本コンセプトを叶えるための「学校づくりの課題と目標」が定められました。
ここに示された8つの課題はただのお題目ではありません。「これらを実現する」ことを常に目指し、設計がまとめられて本日のプレゼンテーションの場につながっています。


野島氏)次にやるべきことは基本計画ということで、学校づくりの課題と目標を具現化していくための議論が進められました。復興事業ということで、2ヶ月というタイトなスケジュールの中で集中して議論を深めていきました。


野島氏)基本計画段階から、考える会に加えて関係4校1園の教職員による検討会と合同学校運営協議会を開催し、3つの組織体制の中で施設のあり方を議論しました。


野島氏)基本計画は、安平町のホームページ※にアップされていますのでご覧頂きたいと思います。その中に「目指す学校施設像」が掲載されています。これは、先ほどの目標を更に具体化する内容になっておりますのでご覧頂きたいと思います。


野島氏)基本計画は施設構成の考え方もまとめています。
新しい学校は「みんなの学校」であるというコンセプトの下、学校施設の地域利用を充実、活性化することで、学校をコミュニティの拠点とするという方針で、学校図書館やアリーナ、特別教室などの施設を日常的に地域住民とシェアすることを目指しています。教室まわりについては多様な学習活動が柔軟に展開できるようにスペースを拡充した計画を組み立てています。成長に応じて学習内容の高度化専門化することを踏まえ、教科担任制に基づく教科センター方式を中等教育段階で採用し、教科の学びに適した環境づくりが行えるような教室づくりを目指しています。
一方で、幼保小中連携一貫という視点で、本校の隣にあるはやきた子ども園との連携をもう1つの柱とし、この地で生まれた子どもたちが、町民の方々に見守られながら、15年というかけがえのない時間を通していきいきと学び育つ場を実現することを町のみなさんとともに目指しています。
以上になります。ありがとうございました。


(プレゼンテーション終了)

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