こんにちは保健師です。

Vol.39 ~学童期の生活習慣予防~ 2016年 8月発行

 (文・高保健師)

 7月号までは赤ちゃんの健康についてお話をしました。
 8月号は学童期の生活習慣病予防についてです。
 まずは、私の衝撃体験をお読みください。

えぇまだ小学生なのに血液がドロドロ!

 これは私が安平町に就職する前の、看護師をしていたときの話です…。
 ぽっちゃりした男児を先輩看護師が採血することになりました。
 まず、ぽっちゃりすぎて血管が見当たりません。
 駆血帯で腕をしばり数分、苦労してやっと見つけて喜びました。が、今度は針を刺そうとしてもコロコロ硬く逃げてしまい(動脈硬化)、なかなか血管内に刺さりません。泣きながら痛がる男の子をなだめながらさらに数分後、何度目かで、やっと針が血管に入りました。
 「ふーやれやれ」と思った矢先、先輩が一言「血が出てこない…。」
 注射器を一生懸命引いても、ゆーっくり引いても少ししか出ないのです(ドロドロ血)
 注射器を本当にゆっくり少しずつ引いて、やっと必要な量を採り、検査容器に入れました。見ると血液に白い粒(脂質)が浮いてる肝衝撃でした。

挿絵1

肉・肉・肉・・・

 男児の生活を聞いてみると
   ① 焼肉が好きで週数回食べ、しかもほぼ肉のみ。
   ② 野菜が全般的に嫌い。
   ③ 運動が嫌い。

 最後に先輩看護師から、男の子に「肉を食べたら野菜も食べるように。肉!野菜!肉!野菜!」と昔々の焼肉のたれの宣伝のような指導がありました。(アラフォー以上の方ならご存知でしょう)

挿絵2

小学生でもりっぱな動脈硬化ドロドロ血になる

 よく「若いから、何をどれだけ食べても大丈夫」と聞きますが、大丈夫ではありません。もしこの男の子がこのまま焼肉生活を続けていくと、10代や20代で脳梗塞や心筋梗塞、糖尿病等の生活習慣病を発症する危険がかなり高く心配です。
 そして、その食生活の基本を作るのは5月からお話ししている乳幼児期からの食事・運動習慣の積み重ねです。

大事なお子さんが、大人になって後悔しないバランスの良い食事と運動

 成人の健診結果に異常のある方は、野菜の摂取量が少ない場合が多いようです。今、お子さんがピーマンやニンジンなど特定のものだけ食べられない場合は、他の野菜を食べられることを褒めてあげましょう。苦手な野菜が一口でも食べられたら褒めて慣らしていきます。
 味覚の完成は10歳頃と言われています。それまでに季節の野菜のおいしさを感じてもらいましょう。「野菜を食べなくて」と悩むお母さんには、「大人になって食べられることもあるので長い目で見て良いのでは」と、よくお話ししています。
 また運動はとても大事ですが、スポーツが苦手なお子さんには、生活の中で体を動かすことから始めるのも―つの方法です。
 カロリー消費は、寝る(横になる)→座る→立つ→歩く→走るの順に多くなります。これを意識して次のようにエ夫してみましょう。
 親御さんが色々気を配っても、学童期に入ると言うことを素直に聞かなくなり、難しくなりますね。
 子どもは大人のすることを良く見ています。
 周りの大人が楽しく食事したり運動し、見本を見せることでお子さんに伝わり、親子で健康的な生活に。お子さんの明るい未来を守ってあげましょう。
 

挿絵3
挿絵4
 
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