こんにちは保健師です。

Vol.28 ~高血圧について~ 2015年 9月発行

 (文・辻原保健師)

 先月の糖尿病に続き、今月は高血圧についてお話します。
 高血圧でよく知られているのは、脳卒中の危険因子ということですが、高血圧の何が良くないのか考えたことありますか?

血圧とは

 血圧とは心臓から送り出された血液が血管の壁を押す力のことで、一般的に動脈の圧力を指し、心臓から送り出されたときにかかる圧を「最高血圧」、心臓に戻るときの血圧を「最低血圧」といいます。
 1733年、イギリスの牧師が始めてウマの頚動脈にガラス管を挿入して血液が上昇する高さを計測したことが始まりといわれています。その後、1896年にイタリア人が、現在の血圧計と同じ原理の水銀圧力による血圧測定法を考案しました。
 ウマの血液は2.7メートルの高さまで上昇したそうです。ヒトの血圧110を公園の噴水にたとえると、1.5メートルまで吹き上がることになります。

挿絵1

血圧とは

 ヒトの血管は、4種類あります(表参照)。
 私たちの血圧は、動脈の血圧を測定しますが、その数値は日々変化し、個人差もあります。一方、細動脈の血圧は、誰でも同じ数値に調整されており、動脈から細動脈へ流れるときの血圧が高いと血管が膨らんだり、キズがついて痛んでしまいます。特に脳は血管が弱いため、脳卒中の危険性が高いというわけです。
挿絵1

血管の名称 太さ 血圧(正常値)
大動脈 2.0 ~ 2.5cm 120 ~ 80 mmHg
動脈(ここの血圧を計ります) 4.0 ~ 5.0mm
細動脈 0.5mm 35 mmHg
毛細血管 0.005mm 15 mmHg

血圧高め…という方は要チェック!

 血圧が上がる原因には、遺伝や体質だけでなく、生活習慣も影響しています。

①遺伝的要素…ご先祖様から引き継いだ能力の一つ

②食べ方…塩分が多いと水で薄めようと血液に水が増え、血液量が増加

③肥満…内臓脂肪から出る物質が欠陥を傷つける。メタボ要注意!

④運動不足…内臓脂肪から出る物質が欠陥を傷つける。メタボ要注意!

⑤タバコ…1本吸うたびに動脈硬化が進みます。

⑥神経・ホルモン…疲労や緊張、睡眠不足など

⑦アルコール…血液中のアルコールを薄めようと細胞から水を引き出し、血液量が増え細胞が脱水状態になり脳梗塞のきっかけになる。


 心当たりがある方は、「血圧の上昇を防ぐ」次のことを試してみましょう。

血圧の上昇を防ぐために気をつけたいこと

 血圧を下げたい、正常値を保ちたいという方は、試してみましょう。

基準値は140/90未満

 家庭で測る血圧の目標値は135/85未満とされています。
 毎日家庭で同じ時間い血圧を測り、140/90を超えるようであればお医者さんに相談しましょう。(治療の開始は個人差があります。)

生活習慣を見直す

 生活習慣を変えることで、血圧が低下することがわかっています。

①減量…肥満の方は、体重が減るだけで血圧が下がります。

②減塩…塩分は控えめが肝心。目安は1日6グラム。

③低脂肪乳製品・野菜・果物の多い食事…コレステロールが少なく、カルシウムやカリウム、マグネシウム、食物繊維が多いと良いです。

④節酒…ビールなら男性は一日500ミリリットル、女性は一日350ミリリットル以下。

⑤運動…30分の歯や歩きをほぼ毎日。

高血圧症の方へ

 高血圧は、治療によって循環器病をかなり予防できることが明らかになっています。
 治療しなかった場合に比べ、脳卒中や虚血心疾患の死亡は格段に少なくなります。また、認知症を発症するリスクが減少します。
 薬を飲む負担と大病の予防を天秤にかけてみると、どちらを選ぶべきか分かりますよ。

 
お問い合わせ

安平町役場 健康福祉課
〒059-1595 北海道勇払郡安平町早来大町95番地
TEL : 0145-29-7071(健康推進G)
TEL : 0145-29-7072(国保介護G)

先頭に戻る