○職員の営利企業への従事等の制限について

令和5年10月16日

[第1 地方公務員の営利企業への従事等の制限]

全体の奉仕者たる公務員として、職員は営利企業への従事等に関して、地方公務員法(以下「法」という。)第38条第1項により制限が設けられています。

(1) 対象職員の範囲

法第38条第1項により、営利企業への従事等が制限される職員の範囲は、次のとおりです。

ア 常勤の一般職員

イ 任期付職員(短時間勤務を含む)

ウ 再任用職員(短時間勤務を含む)

エ 臨時的任用職員(法第22条の3)

オ フルタイム会計年度任用職員(法第22条の2第1項第2号)

なお、パートタイム任用の会計年度任用職員(法第22条の2第1項第1号)の兼業については、一律に制限されるものではありませんが、職務専念義務(法第35条)や信用失墜行為の禁止(法第33条)等の服務規律は適用されることから、当該職員が兼業を希望する際には、安平町職員服務規程第22条の規定に基づき、営利企業等従事許可願(離職届)(様式第10号)を提出させることとします。

(2) 制限される行為

法第38条第1項により、営利企業への従事等として制限される行為は、次のとおりです。

ア 営利企業を営むことを目的とする会社その他の団体の役員などに就任すること

イ 自ら営利企業を営むこと

ウ 報酬を得て事業又は事務に従事すること

上記行為については、あらかじめ許可を受けなければ従事等をすることができません。

[第2 営利企業の役員等への就任の制限]

職員は、任命権者の許可を受けなければ、営利企業を営むことを目的とする会社その他の団体の役員などに就任することはできません。

(1) 制限される範囲等

ア 「営利企業を営むことを目的とする会社その他の団体」(以下「営利企業」という。)とは、商業、工業、金融業など、利潤を得てこれを構成員に配分することを主目的とする企業体をいい、会社法上の会社のほか、主として営利行為を営む法人等も含まれます。

農業協同組合や消費生活協同組合、NPO法人、公益財団法人など各団体の設立に関する法律により営利を目的としないとされているものについては、営利企業に含まれず、当該団体への役員等への就任には許可申請を要しませんが、こうした団体から報酬を受け、その活動に従事する場合には、第4に掲げる事業又は事務への従事として許可が必要になります。

イ 「役員など」とは、取締役、執行役、会計参与、監査役、業務を執行する社員、理事、監事、支配人、発起人、清算人、顧問、参与、評議員その他これらに準ずる職として、業務の執行・監査について責任を有する地位にある者、これらの者と同等の権限・支配力を有するような地位にある者をいいます。

ウ 営利企業の役員などへの就任については、報酬の有無を問わず、また名義のみであったとしても許可が必要になります。

(2) 許可の考え方

営利企業の役員などへの就任について、許可することができるのは、次のいずれにも該当する場合に限られます。

営利企業の役員など経営上重要な地位に職員が就任する場合には、当該営利企業と町との関係性に対して疑惑や不信を招き、特別な利害関係が発生するおそれがあることから、その範囲は限定的に考える必要があります。

○ 職務遂行に支障を及ぼすおそれがないこと

画像 営利企業への従事等により、心身の疲労等による能率の低下などを来すおそれがないこと

画像 職員の健康状態、就任先での従事する事務の内容、従事する時間数等を考慮し、職員の職務遂行に支障を及ぼすおそれがないこと

○ 営利企業への従事等により不当な結果を生じるおそれがないこと

画像 役員などに就任する営利企業が、町の出資・出えん法人等であり、その業務の全部又は一部が地域の振興、住民生活の向上など公共の福祉の増進に資するとともに、町の事業又は事務と密接な関連を有するものであること

画像 町の施策推進のため、職員が役員等に就任することが必要であると認められること

画像 無報酬での活動であること

○ 全体の奉仕者である公務員として適当でない場合ではないこと

画像 職務の公正性が確保されるものであること

画像 職の品位を保持し職全体の名誉を維持するものであること

(3) 許可申請等

ア 営利企業の役員などへ就任しようとする職員は、安平町職員服務規程第22条の規定に基づき、営利企業等従事許可願(離職届)(様式第10号)を任命権者へ提出し、許可を受けることが必要です。

イ 許可にあたっては、(2)許可の考え方に基づき審査を行い、書面又は口頭にてその可否を通知します。

[第3 自営の制限]

職員は、任命権者の許可を受けなければ、自ら営利企業を営むことはできません。

(1) 制限される範囲等

ア 「自ら営利企業を営むこと」(以下「自営」という。)とは、職員が自己の名義で商業、工業、金融業等を経営する場合をいいます。また、他人名義であっても、職員本人が営利企業を営むものと客観的に判断される場合も含まれます。

イ 以下のものについては、許可が必要となる自営の範囲に含まれます。

① 以下のいずれかに該当する不動産の賃貸の場合

(1) 独立家屋の賃貸については、独立家屋の数が5棟以上である場合

(2) 独立家屋以外の建物の賃貸については、貸与することができる独立的に区画された一の部分の数が10室以上である場合

(3) 土地の賃貸については、賃貸契約の件数が10件以上である場合

(4) 賃貸に係る不動産について、劇場、映画館、ゴルフ練習場等の娯楽集会、遊技等のための設備を設けたものである場合

(5) 賃貸に係る建物について、旅館、ホテル等特定の業務の用に供するものである場合

(6) 不動産の賃貸に係る賃貸料収入の額が、年額500万円以上(駐車場の賃貸も併せて行っている場合は、これらの賃貸に係る賃貸料収入の額の合計額)である場合

(7) 上記(1)から(6)までの不動産の賃貸と同様の事情にあると認められる場合

② 以下のいずれかに該当する駐車場の賃貸の場合

(1) 建築物である駐車場又は機械設備を設けた駐車場である場合

(2) 駐車台数が10台以上である場合

(3) 駐車場の賃貸に係る賃貸料収入の額が、年額500万円以上(不動産の賃貸も併せて行っている場合は、これらの賃貸に係る賃貸料収入の額の合計額)である場合

(4) 上記(1)から(3)までの駐車場の賃貸と同様の事情にあると認められる場合

③ 太陽光発電により得られた電気の販売において、販売に係る太陽光発電設備の定格出力が10キロワット以上である場合

④ 農業、牧畜、酪農、果樹栽培、養鶏等において、大規模に経営され客観的に営利を主目的とすると判断される場合

ウ 自家用の飯米や野菜を生産する程度の兼業農家であれば、自営には該当しません。

○ 自営に該当する基準

事業の内容

基準等

不動産、駐車場の賃貸

一定の規模以上の場合

○独立家屋・・・5棟以上 ○アパート等・・10室以上

○土地・・・・・10件以上 ○駐車場・・・・10台以上

○賃貸料収入・・年額500万円以上等

太陽光電気の販売

販売に係る太陽光発電設備の定格出力が、10キロワット以上である場合

農業、牧畜、酪農、果樹栽培、養鶏等

大規模に経営され、客観的に営利を主目的とすると判断される場合

(2) 許可の考え方

自営を許可することができるのは、次のいずれにも該当する場合に限られます。

○職務遂行に支障を及ぼすおそれがないこと

○自営により不当な結果を生じるおそれがないこと

○全体の奉仕者である公務員として適当でない場合ではないこと

なお、従事しようとする事業区分により、次の事項を確認すること。

不動産、駐車場の賃貸・太陽光電気の販売

職務遂行に支障を及ぼすおそれがないこと

画像 不動産、駐車場の管理業務又は太陽光発電設備の維持管理業務を事業者に委ねること等により職員の職務の遂行に支障が生じないことが明らかであること

自営により不当な結果を生じるおそれがないこと

画像 職員の職と承認に係る不動産、駐車場の賃貸又は太陽光電気の販売との間に特別な利害関係又はその発生のおそれがないこと

全体の奉仕者である公務員として適当でない場合ではないこと

画像 職務の公正性、信頼性が確保されるものであること

画像 職の品位を保持し職全体の名誉を維持するものであること

農業、牧畜、酪農、果樹栽培、養鶏等

職務遂行に支障を及ぼすおそれがないこと

画像 職員以外の者を事業遂行のための責任者としていること等により職員の職務の遂行に支障が生じないことが明らかであること

自営により不当な結果を生じるおそれがないこと

画像 職員の職と当該事業との間に特別な利害関係又はその発生のおそれがないこと

全体の奉仕者である公務員として適当でない場合ではないこと

画像 職務の公正性、信頼性が確保されるものであること

画像 職の品位を保持し職全体の名誉を維持するものであること

画像 相続、遺贈等により家業を継承したものであること

(3) 許可申請等

ア 自営を行おうとする職員は、規則第3条の規定に基づき、以下の書類を任命権者へ提出し、許可を受けることが必要です。

① 不動産、駐車場の賃貸の場合

自営兼業許可申請書(不動産等賃貸関係)(様式第1号)に必要に応じ以下の書類を添付

・不動産登記簿の謄本、図面等の賃貸する不動産等の状況がわかる資料

・賃貸契約書の写し等の不動産賃貸料収入額がわかる資料

・管理会社への管理業務契約書等の不動産の管理方法がわかる資料

(※事業主の名義が職員と異なる場合)事業主の氏名、当該職員との続柄、当該職員の当該事業への関与の度合いについての資料

・その他参考となる資料

② 太陽光電気の販売の場合

自営兼業許可申請書(太陽光電気の販売関係)(様式第2号)に必要に応じて以下の書類を添付

・太陽光発電設備の仕様書の写し等の定格出力がわかる資料

・太陽光電気の販売契約書の写し等の販売内容がわかる資料

・事業者へ維持管理業務を委託する契約書の写し等の管理方法がわかる資料

(※事業主の名義が職員と異なる場合)事業主の氏名、当該職員との続柄、当該職員の当該事業への関与の度合いについての資料

・その他参考となる資料

③ 上記以外の場合

自営兼業許可申請書(不動産等賃借及び太陽光電気の販売以外の事業関係)(様式第3号)に必要に応じて以下の書類を添付

・職員が当該事業を継承したことがわかる資料

・事業報告書、組織図等の当該事業の概要についての資料

・職員以外の者を当該事業の業務の遂行のための責任者としていることなど職員の職務の遂行に影響がないことを明らかにする資料

(※事業主の名義が職員と異なる場合)事業主の氏名、及び当該職員との続柄並びに当該職員の当該事業への関与の度合

・その他参考となる資料

イ 許可にあたっては、(2)許可の考え方に基づき審査を行い、書面又は口頭にてその可否を通知します。

[第4 事業又は事務への従事の制限]

職員は、任命権者の許可を受けなければ、報酬を得ていかなる事業又は事務に従事することはできません。

(1) 制限される範囲等

ア 「報酬」とは、その名称の如何を問わず、労務、労働の対価として支給・給付されるものをいいます。ただし、実費弁償としての交通費等は報酬には該当しません。

イ 「事業又は事務に従事すること」とは、職員の職務以外の業務に継続的、定期的に従事する場合をいいます。

ウ 単発的な講演・原稿作成依頼に対して謝金を受け取ることについても、許可が必要になります。

エ 職員の職務として、職務命令に基づき対応する場合については、実費弁償以外の報酬等を受け取ることはできません。

オ 無報酬で職務以外の事務、事業に従事することについては、任命権者の許可が問題になることはありませんが、従事する内容や態様により、信用失墜行為の禁止等に抵触するものについては従事できません。

(2) 許可の考え方

報酬を得て事業又は事務に従事することができるのは、次のいずれにも該当する場合に限られます。

○ 職務遂行に支障を及ぼすおそれがないこと

画像 営利企業への従事等により、心身の疲労等による能率の低下などを来すおそれがないこと

画像 職員の健康状態、就任先での従事する事務の内容、従事する時間数等を考慮し、職員の職務遂行に支障を及ぼすおそれがないこと

※「職務遂行に支障を及ぼすおそれがある場合」については、週8時間又は1箇月30時間を超過する場合、又は勤務時間が割り振られた日において1日3時間を超える場合を目安とすること

画像 営利企業へ従事する時間と勤務時間とに重複する時間が生じないこと

○ 事業又は事務の性質上従事することが適当でない場合ではないこと

画像 報酬額が、社会通念上相当と認められる程度の超えない額であること。

画像 職員の職と従事する営利企業等との間に、特別な利害関係又はその発生のおそれがないこと

・特別な利害関係・・・補助金の交付、契約、立入検査、免許、認可、許可等の関係

画像 従事先が次に掲げる非営利団体であること

従事先団体

備考

地方公共団体

独立行政法人

国立大学法人

地方独立行政法人 等

公益社団法人

公益財団法人

社会福祉法人

学校法人

医療法人

特定非営利活動法人 等

以下のすべてを満たすこと

・団体の設立目的に沿った活動実績があること

・団体又はその役員(役員であった者を含むが、当該団体の業務に係る刑事事件に関して起訴(無罪の判決又は控訴棄却の決定が確定した場合を除く)又は特定不利益処分を受けていないこと。

一般社団法人

一般財団法人 等

以下のすべてを満たすこと

・定款等の団体の目的が、公務員としての信用を傷つけ又は職全体の不名誉となるおそれがないこと

・団体の設立目的に沿った活動実績があること

・直近3年分の事業報告、活動計算書等の資料がHP等により町民に広く公表されていること

・団体又はその役員(役員であった者を含む)が、当該団体の業務に係る刑事事件に関して起訴(無罪の判決又は控訴棄却の決定が確定した場合を除く)又は特定不利益処分を受けていないこと。

地域運営組織 等

「地域運営組織」又はそれに準ずると認められる地縁団体であること

(3) 地域社会貢献活動等に関する兼業

地方公務員に対しては、多様で柔軟な働き方へのニーズの高まりや、人口減少に伴う人材の希薄化等を背景として、地域社会のコーディネーター等として、公務以外でも活躍が期待されている面もあります。

社会貢献活動や地域課題の解決に資する活動に従事することは、地域の活性化や職員の能力向上の観点からも有益であることから、非営利団体以外の団体等から報酬を受ける場合であっても、前号の考え方を踏まえ、当該活動に関する兼業の許可を受けることができます。

(4) 許可申請

事業又は事務へ従事しようとする職員は、安平町職員服務規程第22条に基づき、営利企業等従事許可願(離職届)(様式第10号)に以下の書類を添付して任命権者へ提出し、許可を受けることが必要です。

・従事する事業又は事務の概要がわかる資料

・従事先の団体の活動実績等がわかる資料

・その他参考となる資料

(5) 許可の通知等

ア 許可にあたっては、(2)許可の考え方に基づき審査を行い、書面又は口頭にてその可否を通知します。

イ 許可を受けた場合、毎年度末日までに活動実績・計画報告書(様式第4号)を提出してください。

ウ 事業又は事務へ従事する時間が勤務時間内である場合、年次有給休暇又は職務専念義務の免除を受けて対応してください。

[第5 消防団員との兼職]

消防団員との兼職については、営利企業等の従事許可申請は不要です。(消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律(平成25年法律第110号)第10条第1項の規定において、地域防災力の中核を担う存在である消防団との兼職について規定されているところであり、同条第2項において法第38条第1項に基づく任命権者の許可は不要とされているため。)

[第6 パートタイム任用の会計年度任用職員に係る営利企業への従事等]

パートタイム任用の会計年度任用職員については、営利企業への従事等について制限が課されていないものの、従事する内容等によっては、職務専念義務や信用失墜行為の禁止等に反する場合があることから、任用時等に従事する内容等についての報告を求め、公務における支障の有無を確認することが必要です。

よって、営利企業への従事等をする場合、営利企業従事等に関する届出書(様式第5号)を任命権者へ提出する必要があります。

(1) 確認すべき観点

○ 従事する業務が、信用失墜行為にあたるおそれがないこと

○ 従事する業務が、公務の公正な遂行を害するおそれがないこと

○ 兼業により職務の遂行に支障を来すおそれがないこと

画像 職員の職と従事する営利企業等との間に、特別な利害関係又はその発生のおそれがないこと

・特別な利害関係・・・補助金の交付、契約、立入検査、免許、認可、許可等の関係

画像 職員の健康状態、就任先での従事する事務の内容、従事する時間数等を考慮し、職員の職務遂行に支障を及ぼすおそれがないこと

画像 職の信用失墜に繋がるものではないこと

画像 報酬額が、社会通念上相当と認められる程度の超えない額であること

(2) 確認方法

ア パートタイム任用の会計年度任用職員を任用しようとする場合には、兼業予定の有無を確認し、その予定がある者についてはその内容を十分把握し、上記の公務における支障の有無のほか、労働基準法(昭和22年法律第49号)の適用(他の事業場との労働時間通算、割増賃金等)などについて確認し、任用後に不測の事態が生じないようにすること。

イ 労務管理上の必要性から、パートタイム任用の会計年度任用職員の任用決定後に、営利企業従事等に関する届出書(様式第5号)の提出を求め、従事内容等を確認すること。

画像

画像

画像

画像

画像

職員の営利企業への従事等の制限について

令和5年10月16日 種別なし

(令和5年10月16日施行)

体系情報
第4編 事/第3章
沿革情報
令和5年10月16日 種別なし